キュウリジュース遠沈上清液で培養した Phytophthora capsici の異常遊走子嚢(農学部門)

宮田 善雄; 桂 [キ]一

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アイテムタイプ	[ELS]紀要論文 / Departmental Bulletin Paper
言語	日本語
雑誌書誌ID	AN00062275
著者	宮田善雄 / ミヤタヨシオ桂 [キ]一 / カツラキイチ
著者所属(日)	京都府立大学農学部植物病学研究室京都府立大学農学部植物病学研究室
抄録(日)	キュウリジュースの遠沈上清液で培養したPhytophthora capsiciの菌叢上に形成される遊走子嚢は, 遊走子型発芽を行なうことのできない異常遊走子嚢である。この際, 菌体乾重や遊走子嚢形成数は, キュウリジュースの場合と比較して, それほど劣ってはいない。これらの異常遊走子嚢と, キュウリジュースで培養した場合の典型的遊走子型発芽を行なう遊走子嚢について形成的比較を行なってみた。異常遊走子嚢は概してやや小さく丸型のものが多いが, 外部形態的には, それほど大きな差異は認め難い。内部形態的特徴のひとつは, 単位膜に包まれ, 内部に様々の小胞や顆粒を充満したがらくた胞の存在である。この胞嚢の大きく発達したものは光学顕微鏡レベルにおいても充分に認められる。同時に, 正常な遊走子嚢にはゴルジ装置と, それを中心に発達した小胞の集団が散在しているのに対し, 異常遊走子嚢ではそのような構造が認められない。さらに, 発芽時の形態的特徴をみると, 原形質は個々の遊走子への分割を起こさず, そのまま全体が外へ飛出す原形質型発芽をとることである。そこでこれらの事実から次の仮説を立ててみた。すなわち, 正常な遊走子嚢ではゴルジ装置の働きによって膜形成が進行して, 遊走子への分割が起こり, 典型的な遊走子型発芽が行なわれるのに対し, 異常遊走子嚢では, 何らかの原因によりゴルジ装置は未発達で, ときには, 空胞中に取込まれて, がらくた胞となり, 分割が起こらないために, 原形質型発芽を行なうことになるのではなかろうか。
雑誌名	京都府立大學學術報告. 農學
巻	24
ページ	33 - "36-5"
発行年	1972-10-15
表示順	9
アクセション番号	KJ00000078902
ISSN	00757373

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